慶次が生徒会室のドアを開けた途端、腹に衝撃が走った。驚いて腹を見下ろすと、銀色の髪が視界いっぱいに入ってくる。
 後輩の三成が抱きついているのだとわかったのは、たっぷり数秒たってからだった。
「え、三成。って、なんでこうなってんの!?」
 生徒会室に入ることも三成を引き剥がすこともできず、慶次は困ったような表情で助けを求める。一番に目に入った吉継に問いかけるものの、彼は意味深な笑顔を浮かべるだけだった。
「秀吉、半兵衛、コイツどうにかしてくれよ。中入れないって」
 信奉している彼らのいうことなら三成もきっと聞いてくれるだろう。そう思いながら親友たちに訴える。
 困り切っている慶次を見ながら、二人は慶次を助けてくれる気はなさそうだった。すまなそうな表情をしている秀吉はともかく、半兵衛なんかはとても楽しそうだ。
 さらに困ったことに、三成は慶次が誰かに話しかけるたびにぎゅうぎゅうと抱きつく力を強くしてくる。一応苦しくないようにと配慮しているのだろうが、腹を締められているので結構苦しい。
 ため息をついて、仕方なく三成を抱きつかせたまま少し無理やりに生徒会室の中に入る。扉の前に立ったままではどうしようもない。
「もう何なんだよ三成」
 声をかけても、ぐりぐりと頭を押し付けられるだけで返事はない。慶次は苦笑して、三成ごとソファに座った。
 半兵衛がくすくすと笑って、慶次に書類を手渡す。慶次は生徒会役員ではないが、生徒会長と生徒会副会長二人の親友だからという理由で生徒会室に入り浸っている。何もしないのにいるのは邪魔だと言いきった半兵衛に、秀吉が慶次にも仕事を与えることにしたのだ。
 慶次が書類を受け取ったのを確認して、半兵衛は慶次の隣に座り穏やかに目を細めた。
「三成君は今充電中なんだ」
「充電? 何の?」
「慶次君のだよ。昨日生徒会室に来なかっただろう?」
「それは……補習で」
 慶次は決して頭がいい方ではない。半兵衛に助けてもらうけれど、それでも補習を受けることが多い。昨日も補習で、しかも島津の授業だったから、逃げるに逃げられなかったのだ。
「君がいないから三成君は寂しがってたんだよ?」
 予想外の言葉に、慶次は驚いて目を丸くした。目を瞬かせて、腹に張り付いたままの三成を見る。
「それ、本当かい?」
 こくり、と三成は頷く。そして今日生徒会室に来て初めて、慶次は三成の声を聞いた。
「昨日慶次さまに会えなかったので、慶次様が足りないのです」
 真剣な声で言われて、ぎくりとする。
 この後輩の執着心はすごいと常日頃から感じてはいたが、それが自分にも向くとは考えていなかった。薄々その予感はあったけれど見ないふりをしていただけだ。それを少し嬉しいと思ってしまうのは、多分三成に絆されているからだろう。
「うー……秀吉からも何か言ってやってくれよ」
「お前が補習を受けるような事態になるから悪いのだ。甘んじて抱きつかれておけ」
「裏切り者!」
   親友は慶次をバッサリと切り捨てる。うなだれる慶次に、半兵衛が声を上げて笑う。そのやり取りが面白かったのか、吉継は喉の奥で引きつった笑いを零した。
「つまりぬしには補習を受ける暇などないということよ」
 その言葉がとどめの一撃となって、慶次は本格的に倒れ込んだ。慶次に挟まれる形になった三成が嬉しそうにしていたのは、慶次だけが知らないことだった。






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三慶可愛いよ三慶!
と叫んでおく。
たまらん三慶可愛い。
三慶であらぶってどうしようもないから助けてください。
口を開けば三慶って言ってる気がします。
つんけんしてる三成もいいですが、べたべたくっついてるのもすごい可愛いと思います。






2011.01.29.