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政宗はいつも自分勝手だ。自分勝手というか、自分が一番っていうか、何でも自分の思い通りになるって思ってる。思ってるし、実際そうなるから性質が悪い。 従者という立場にいる小十郎さんが一番の被害者だ。二番目は多分、俺。恋人という立場上小十郎さんには敵わないけどそれなりに苦労していると思う。 政宗は勝手だけど、絶対にできないことは言わないんだ。だから俺も小十郎さんもなんとかしようとする。してしまう。わかってて言う政宗は本当に意地悪だ。 「慶次、何考えてんだ?」 「別に、何でもないって」 怒ったような低い声で言われて、意識を戻す。 今俺は政宗の部屋で、褥の上に寝かされて、政宗にのしかかられて押し倒されている。低い声が不機嫌を隠さず伝えてきて、俺は思わず震えてしまった。 どうしてこんなことになっているかといえば、政宗がまた無理難題を言いだしたからだ。無理難題ではないけれど、俺にとってはできたら避けたいことだ。 「慶次、いい加減言えよ。俺のこと好きだってな」 そう。俺に好きって言えって。俺が政宗のことを好きなのは政宗自身ちゃんとわかっているっていうんだけど、どうしても聞きたいらしい。 ときにはloveを確認しなきゃな、なんて政宗は言う。絶対に嘘だ。俺を困らせて楽しんでるだけ。好きだとか愛してるとか、恥ずかしくて言えない俺が困るのをわかっているんだ。 「慶次」 囁く声にぞくぞくと体が震える。心の臓が音を立てて駆け回り、反して体は動けなくなって、政宗の行動一つ一つに過剰反応してしまう。吐息がかかるのにさえ反応してしまったのがわかった。 声にばかり意識を持っていかれているうちに片方の手がするりと足を撫でた。寝る寸前だったために浴衣姿だったのが悪かった。裾をめくればすぐに足に辿り着く。 「言わなけりゃこのまま進めてもいいんだぜ?」 「わ、わかった。わかったからっ」 明確な意図を持って進む手を押しとどめて政宗に制止をかける。政宗は不満そうな顔をしたけど、渋々手を離してくれた。 「……き」 「Ah? 聞こえねぇよ」 「好きだよ、馬鹿っ」 恥ずかしくて色気もなく叫んでしまう。でも言うには言ったんだからもうどいてくれ、という意味を込めて政宗を見やる。だが、政宗は満足したという表情ではなくさっきよりも不機嫌そうな顔をして俺を見下ろしていた。 「何だ、つまんねぇ」 羞恥心を堪えて言った言葉に対してこの仕打ち。頭に血が上って怒鳴ったって悪くないと思う。 「つまんねぇってなんだよ! ちゃんと好きだって言っただろ!?」 「そこは羞恥に頬を染めながら小声で好きっていうところだろ?」 「そんなのできるか! 女の子がやったら可愛いけど、俺は男なの!」 俺は政宗が好きで政宗も俺のことが好きだけど、俺は女の子じゃない。守ってあげたくなるほど可憐じゃないし、町を一緒に歩いても恋仲には見えないんだ。自分が一番よくわかってる。 「お前はどんな女よりもcuteだぜ?」 わかってるのに政宗がそんなことを言うから俺は俯いて政宗から顔を逸らした。顔が熱い。恥ずかしい。 「……嬉しいけど嬉しくない」 「そういうとこがcuteだってんだよ」 顎に手をかけられ無理やり顔を上げられて、額に唇が降りてくる。顔中を接吻されて思わず目を閉じた。途端に唇に触れてくるそれ。口を開けろと舐められる。 「んッ……」 執拗に舌を追われて絡められて呼吸が苦しくなる。意識がぼうっとなって、ぼんやりと政宗を見上げた。 さらに激しくなる口吸い。それに夢中になっている間に裾を割って手が侵入してくる。太ももを撫でられると腰が跳ねた。 「や、政宗……っ」 「ま、好きだって言えたrewardってところだ」 「り……?」 「褒美って意味だよ」 さっきまでのつまんなそうな顔が一転して楽しそうな顔になっている。意地悪く弧を描く口元にいやな予感がひしひしとした。 「い、いらない! 褒美なんかいらないから寝かせてくれよっ」 咄嗟に逃げようとするけど、上からのしかかられている状態で逃げられるはずもない。身体を引きずって後ずさると浴衣が肌蹴て政宗に有利な格好を取ってしまった。 「奥州筆頭からの褒美だ。ありがたく受け取っとけ」 「いらないってばっ。俺はもう眠いの!」 無駄な抵抗と知りつつ抵抗するのはもう癖みたいなもので、体はすでに反応を返し始めていた。剣を握る指が体を這うたび体中が熱くなった。 「I love you,慶次」 耳朶を甘噛みしつつ囁かれた言葉に陥落したなんて、政宗が喜ぶから言ってやらないんだ。 そう心に決めて、政宗の手を受け入れた。 +end+ +++++ 俺さま政宗×乙女慶次が目標……だったはずだけれどもどうしてこうなった。 乙女慶次がログアウトしました。 俺さま政宗が(ry そしてどうしてエロスに走ったのかわからない私。 とあるお方に勝手に捧ぐ! 2011.03.23. |