「るぅぅぅぅぅくどのぉぉぉぉぉっ!」
 ルークが風邪をひいたと聞き、幸村は脇目もふらずルークの部屋に駆けこんだ。部屋の真ん中に置かれたベッドの上で、ルークが苦しげな息を漏らしながら横になっている。
 主がこんなに苦しんでいるのに誰も傍にいないことに幸村は知らず顔を顰めた。メイドや使用人、親でさえも顔を出さない。
 冷たい家族だと思う。
 当のルークは幸村の叫び声がばっちり聞こえたらしくゆっくりと目を開けた。
「……う、るせー……っつー、の……」
「す、済まぬ!」
 慌てて謝るが、その声も大きかったらしくルークは苦しそうに眉を寄せた。幸村は目に見えるほど落ち込み肩を落とす。
 同時にルークが咳き込み、どうしていいかわからずせわしなく部屋を見回した。
 こんなときに限って佐助も政宗もいない。生まれてこのかた看病というものをしたことがない幸村よりも、二人の方がずっと頼りになるだろうに。
 何もできない自分がふがいない。
 とりあえず薬湯でも貰ってこようと身を翻すと、服の裾を掴まれて動けなくなる。
「ルーク殿?」
「薬、は……佐助が、もらいに、行った……政宗も、水、取りに行ってる……」
 ひゅう、と引きつった息を漏らしてルークは訴える。あまりに苦しそうで、もういいから寝ているよう言うのだが聞き入れてもらえない。
 縋るように服を掴む手を取り、しっかりと握り返した。熱が高いせいで手はひどく熱い。
 熱に浮かされた目で幸村を見上げるルーク。そんな場合ではないのに心臓が跳ね、振り払うように首を振った。
「だから、お前は、ここにいろ……」
 素直になれないルークの、最大限の甘え。
 風邪をひいたときは人恋しくなるというが、ルークは素直に寂しいと口にすることができない。こうして命令をするのが精いっぱいで。
 幸村は微笑んで、椅子を引っ張ってきて腰掛けた。その間も握った手は離さない。
「わかり申した。この幸村、ずっとルーク殿の傍にいるでござる。安心して眠ってくだされ」
「うん……」
 ルークは蕩け切った笑顔を浮かべて目を閉じた。苦しそうだった顔が少しだけ安らぐ。それを見て幸村もほっと息を吐いた。
「某はずっとルーク殿の傍にいるでござるよ」
 何もできないけれど、君が寂しくないように。






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幸村は人の看病なんかできないと思います(笑)
何かやろうとして失敗しまくって佐助が後片付けして、政宗に怒られる、と。
佐助のオカンっぷりがたまんないです。
それで苛立ってるーくんがキレて、そのせいで倒れて、幸村が追い出されるんです。
でもるーくんが一番落ち着くのは幸村に手を握ってもらってるときだったり。
甘えたなるーくんは可愛いなぁ……vV