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華奢な体を抱き寄せる。流れる長い髪をかきわけて首筋に顔を埋めると、腕の中の体がびくりと震えた。 「政宗?」 子供が名前を呼ぶ。それには答えずに、抱く腕に力を込めた。 他者との関わりの少ない子供は、甘えることはあっても甘えられることを知らない。何故自分がこうして抱きしめられているのか、彼の頭の中は疑問でいっぱいだろう。政宗が子供を抱き寄せたのは、甘えの表れだと、絶対的に経験の少ない子供に分かるはずもない。 政宗の方も自分が甘えたいのだと悟られたくはなかったし、知らせるつもりもなかったから、都合がいいと言えば都合がいい。 気づかれたくなかった、弱い自分は。けれど、弱い自分も確かに存在していて、今のようにふと顔を覗かせたときは、対処に困ってしまう。 叱咤の言葉でもなく、同情でもなく、ただ受け入れてほしい。そう心が叫ぶのだ。 そして、弱った心が選んだのが、異国から来た朱色の子供。立場も身分も無関係な彼は、この心を容易にかき乱す。決して見せるつもりのない弱さを、垣間見せることを許すほどに。 抱きしめたまま動かない政宗をどう思ったのか、子供がため息をついた。弱った自分はそれを呆れと受け取り、拒絶されるのではないかと恐れを抱いた。もちろん、そんなことは表には出さないけれど。 怯える心に、子供の不器用な言葉が触れた。 「あー、その、なんかあったのか? お前がそんなんだと、ちょーし狂う」 恐る恐る、子供の手が背中に回る。慣れない手つきで、その手が上下した。 「オレなんかじゃ役にたたねーけど、なんかあったら言えよ?」 言わねーの知ってるけどさ。 耳に心地よい声が、心をくすぐる。もっと近づきたくなって、隙間もないほどに強く子供を抱きしめた。苦しいと訴えるのも無視をした。 「……ou」 「は?」 怪訝そうに子供が聞き返す。もう一度だけだと、掠れた声を押しだした。 「I love you,luke」 「な、何言って……っ!」 その髪と同じく、真っ赤になっているだろう子供の顔を想像すると、少しだけ笑みが零れた。 たまにでいいから、甘えさせてくれ。お前がそれとわからなくてもいいから。 ただ、傍にいてほしいんだ。 +++++ なんかふと甘えたな政宗様が思い浮かびまして。 ルークも子供なので、甘えられてることに気付いていませんが。 イメージ的には、戦国トリップの長髪ルークです。 政宗様は人に弱みを見せるのが嫌いだろうなというイメージがあるので、デレデレな甘えたではありません。 そうやって甘えるのは佐助じゃないかな、と。 軽い言葉で抱きついたりしてるんですけど、そういう態度をとってるときが一番傷ついてるときだったりして。 幸村も人に弱みは見せないタイプだろうと思いますが、吐きだすだけ吐きだす人だと思ってます。 慶次は、甘えてるっていうのを全然悟らせないと思います。 政宗様のはなんか変って気づけるような甘え方で、慶次のは甘えられたかどうかも本当にわからないような。 慶次がいちばん大人だと思います。 小十郎は、素直に甘えさせてくれって言いそう。 はっきり弱みを弱みと言えるような気がします。 2010.03.28. |