完全に意気投合した旦那とルークちゃんを修練場に残して、俺様と前田の旦那は修練場に面した座敷の縁側に座った。
 ルークちゃんが剣の稽古をしたいと言い出したのだ。それで旦那が相手をすることになり、お邪魔な俺様たちは追い出された。
 ルークちゃんは家で剣を習っていたらしく、流派はわからないがなかなか筋がいい。旦那も旦那で楽しそうだし。
 朱色の髪と翡翠の瞳をもつ異国の少年(本気で女の子だと思ってた。だってあんなに綺麗なんだよ?)は驚くほどすんなり俺様たちの中に入ってきた。
 旦那は興奮して仲良くしてくれ、なんてらしくないこと口走っちゃうし、前田の旦那は何かにつけてルークちゃんを傍に置きたがるし。
 かく言う俺様もルークちゃんを構いたくてしょうがない。
 今は旦那にとられてるけど、頃合いを見計らって甘味でも持ってこよう。
「微笑ましいねぇ」
 そんなことを考えながら打ち合う二人を見ていると、前田の旦那が思わずといった様子で呟いた。その声はどことなく寂しさを含んでいる。
 反射的に振り向くけど、前田の旦那は笑っていた。切ない声音なのには気づいていないんだろうか。
 あー、もしかして自分の気持ちわかってないとか?
 普段散々他人に愛だの恋だのを語るくせに、自分のこととなると超鈍感ってやつ?
 それはそれは。
 いっそ感心する俺の横で、前田の旦那は茶を啜った。
 修練場では旦那とルークちゃんが楽しげに稽古をしている。カンカン、と木と木の打ち合う音が響く。ルークちゃんが動くたび、朱色の長い髪が揺れた。
 綺麗だ。
「そうだね。けど、そろそろ休憩って言ってくれる? お茶菓子持ってくるから」
 前田の旦那を置いて茶菓子を取りに行く。前田の旦那が二人を呼ぶ声が聞こえて、それから旦那の喜ぶ声が聞こえた。
 旦那も相当甘味が好きだよねぇ。
 両手に茶菓子を持って音もなく彼らの後ろに立つ。
 突然現れた俺様に驚いたのはルークちゃんだけで残りの二人は顔色一つ変えない。忍がいるのが当然のことだから、驚かれるのは結構新鮮だ。
「はい、団子だよ」
「ありがと」
「佐助、某にも早くっ早くっ」
「はいはい。ちょっとは落ち着きなさいって」
 もし旦那に犬耳と尻尾があったら絶対ぶんぶん振られてるよね。そんな旦那の世話しなきゃいけない俺様の身にもなってみてよ。
「うめぇっ。うまいな、猿飛」
 満面の笑みを浮かべてルークちゃんが叫ぶ。
 その笑顔を見ると思う。惹かれてるって。
「佐助でいーよ。前田の旦那もそう呼んでるし」
「佐助、うまいよ」
「ルーク殿、某のことも名前で呼んでくだされ!」
「名前?」
「幸村な」
「幸村。うん、幸村」
「なんでござろう、ルーク殿」
 俺たち三人は等しくルークちゃんに惹かれてる。旦那と前田の旦那は無自覚に、俺様は自覚済みで。
 柄にもないと思うけど、それでもいいかとも思う。
 この笑顔を近くで見れるんなら、さ。






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へーい。
慶次は佐助と幸村のことを何て呼んでるんでしょうね?
とりあえず下の名前で呼ばせてますが……。
でも政宗のことは独眼竜って呼んでますよね。
うーん、わかりません。
ルークが愛されてたらいっか←
もうこれ完全に別物ですよね(笑)