離れだというただっ広い部屋に通されて、オレは居心地悪く座っていた。
 離れとは言ってもオレの部屋なんかよりよっぽど広い。遠くの方で宴会の騒ぎ声がするのがますますオレを居心地悪くさせた。
 そんなオレを知ってか知らずか、慶次はくつろぎまくっている。夢吉なんか広い部屋にはしゃいで跳び回ってるし。
 一際盛り上がった歓声が聞こえた。慶次はそちらを向いて見えるはずもないのに額に手を当てて覗く仕草をした。
「おーおー、やってんなぁ。喧嘩なら俺も混ぜてくんないかなぁ」
 そういう慶次の声はすごく楽しそうだ。
 ホントアンタって祭りとか喧嘩とか好きだよな。オレがそう言おうとした瞬間、どこかで聞いたことがあるような叫び声と地響きが響き渡った。なんかこっちに向かってきてる気がする。
「るぅぅぅぅくどのぉぉぉぉぉっっ!」
「ゆ、幸村?」
 聞き間違いでも何でもない、確かに幸村の声だ。
 襖を開けて外を見ると薄い色の着物を着た男が走ってくるのが見えた。ソイツ、幸村は一直線にオレに向かって走って来て、縁側に立ったオレの目の前で急に止まった。
「ルーク殿、お会いしとうございました!!」
 部屋の外にいる幸村と部屋の中にいるオレとじゃ立ってる場所が違うから、オレは幸村を見下ろすことになる。キラキラと輝く目に下から見上げられて、なんだかくすぐったい気分になった。
「ルークも会いたかったよな」
 いつの間にこっちに来たのか、慶次が隣に立っていた。くしゃり、と頭を撫でられる。
「ち、ちが……」
「違うのでござるか?」
 反射的に言いかけると幸村はしゅん、と肩を落とす。なんだか犬の耳と尻尾が垂れているのが見えた気がして、オレは言葉に詰まった。
「ほらほら、素直になりなって」
「ルーク殿……」
「……ち、違わねーよっ。オレも会いたかった! これでいいかよ!」
 顔が熱い。慶次が笑ってて、幸村が飛びついてくる。本当は少しだけ怖かったのも一瞬にして消えてしまった。
 幸村はわかりやすい。好きだ好きだって、体全体で示すから。
 痛いくらいに抱き締められながら、ちょっとだけ泣きそうな気持ちでそう思った。
 もう怖がんなくていいのかな。
 少なくとも幸村は怖くないって思っていいかな。
「ところで幸村、なんで俺たちが来てるってわかったんだい? かすがちゃんから聞いた?」
「ルーク殿が来ているような気が致しました故!」
 体を離して、幸村は自信満々に答えた。幸村を怖がってんのが馬鹿らしくて引きつった笑みしか返せなかった。






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幸村の野生の勘でルーク感知(笑)
幸村ってこんな子だと思います(酷(笑)
まっすぐで嘘つけなくて自分に正直。
ルークに直球勝負で当たってっちゃえ!