朱い髪に白い奇妙な着物を着た鬼がいるという噂を聞き、興味をそそられた俺は早速その鬼がいるという森に向かった。
 鬼は森の入口に立ちつくしていた。朱色の髪に透けるような白い肌と、同じく白い南蛮の着物を着ている。鬼というより異国の少年だ。いや、ここまで綺麗な赤い髪は見たことがないけど。
「お、アンタが噂の鬼かい?」
 声をかけると、俯いていた鬼が顔を上げる。潤んだ翡翠の瞳が俺を見上げた。
 と、思ったら、急に怯えたように半歩下がられてしまった。何かを探すように空の手が腰の辺りを彷徨う。
 俺はそんなに怖いかねぇ。これでも友達作んのは得意な方なんだけど。
 そう思いながら一歩近づくと、鬼は逃げるのをやめて俺を睨んできた。
「な、何の用だよ」
 凄みを利かせたつもりなんだろうが、生憎声が震えている。精いっぱいの虚勢なんだと思うとなんだか可愛く思えてきた。
「そんなに怖がんなよ。俺はここに見慣れない人間がいるからって見に来ただけだからさ。俺は前田慶次。アンタは誰だい? どこから来たんだ?」
「……ぇ」
「は?」
「わかんねぇっつってんだよ! 気が付いたらここにいたんだ!」
 鬼は朱色の髪を振り乱して今にも泣き出しそうな様子で叫んだ。
 どうしてここにいるかわからないってことは、人攫いにでもあったのか? 寝てる間に攫われたとすれば、ここがどこなのかも、どこから来たのかもわからなくて当然だ。こんなに綺麗な朱色なんだから攫いたくなる気持ちもわからないでもないけど、怯えているのに精いっぱい悟られないように意地を張る姿を見ていると怒りが湧いてくる。
 同時に、もう一つの思いが湧きおこる。
 守ってやんなきゃ、なんて。
 微妙な距離を一気に詰めて、朱色をぐしゃぐしゃに掻き回す。鬼はうろたえて手を振り払おうとしたが、俺がしつこく頭を撫でていたら諦めたのか大人しくなった。恨めしそうに見上げられて言葉に詰まった。
 い、今のナシ! どう見たってコイツは男だ!
「あー、そうだ。アンタの名前は?」
「ルーク。ルーク・フォン・ファブレだ」
「るーく、ふぉん……?」
「あーもう! ルークでいい!」
 感じた動揺を誤魔化すように話題を変える。
 鬼は俺の不自然な様子に気付いたふうでもなく、憮然とした態度だが名前を告げた。異国の名前はよくわからなかったが、ルークという名前だけは頭に残しておく。
 ルーク、と口の中で呟くと、何だよ、と応えが返ってきた。
 俺のことを警戒しているくせに真っ直ぐ俺を見て反応する。見た目はそう子供でもなさそうだけど、中身は結構子供みたいだ。純粋無垢っていう方が正しいかもしれない。
 弟がいるとこんな感じかなー。
 いつものお人好しが出た俺は威嚇する鬼……じゃない、ルークの手を取った。
「よし、お前さん俺と一緒に来いよ」
「はぁ!? なんで!?」
「ここがどこかも、どっから来たのかもわかんねぇんだろ? どうせ行くあてもないんだ。俺が面倒みてやるって」
 ニカッと笑って歩き出す。
 ルークは特に嫌がる素振りも見せずついてくる。ほんの少しだけ、繋いだ手に力がこもった。
 なんだかんだ言って不安だったんだろうな。どこかほっとした表情をしているようにも見える。
 まったく、俺も懲りないねぇ。
 胸中で苦笑して、縋る手を安心させるように握り返した。






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メロンとの超振動で戦国世界へトリップ☆←
前田慶次と出会いました。
やっと慶次出せたよ!
慶次は好きなんですけど、どうやってるーくんと絡ませようか考えたらこうなりました。
これ連載っていうか同じ世界観でシリーズとして書こうかと思ってます。
気が向いたら(ぇ(おまっ
にしても捏造しすぎですね……。