奥州を出てしばらく、ルークはずっと不機嫌だった。独眼竜に接吻されたことがよっぽど堪えてるらしい。
 覚えてる限りで初めての接吻で、しかも舌まで入れる濃密なものだったから怒るのも当然だ。
 俺もすごく腹が立ったし。
 けど、そろそろ越後に着くし、機嫌直してほしいんだけどなぁ……。
「なあ、ルーク」
「何だよ」
 うわ、声が刺々しい。
「そろそろ機嫌直してくれよ」
「直せるかっつーの! あんな、あんな……っ!」
 肩を震わせ言葉を詰まらせる。あのときのことを思い出しているのか耳まで真っ赤だ。
 そりゃ俺だってムカついてるけど、それを抑えてルークを宥める。
「まあまあ。独眼竜もそれだけ本気ってことだよ」
 ルークに本気で恋してる。それを、独眼竜はああいう形で示しただけ。
「……けど、慶次はそういうことしねーじゃん」
 俺の目を見ないようにしながら、ルークはもごもごと口ごもった。
 ルークは俺が告白したこと、ちゃんと覚えてくれたんだな。とってつけたような告白になっちまったから、覚えてないと思ってた。
 思わず口元が緩む。それを誤魔化すようにルークの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「俺はルークを大切にしたいからさ。ルークが怖がるようなことはあんまりしたくない」
 頭に置いた手を滑らせてルークの髪を掬う。日に透ける髪は輝いて、宝石みたいだ、と思った。
 それを口元に持っていくと目を閉じて口付けた。目を見開いたルークの顔がさらに赤くなる。
「でも本気。ルークが好きだよ」
「……ば、バッカじゃねーの!」
 ルークは慌てて俺から距離を取るともう一度バカじゃねーの、と繰り返した。言い聞かせることで自分を落ち着かせているみたいだった。
「変なこと言ってんじゃねーよ。早く行くぞ」
 そう言ってずんずん歩いて行ってしまう。その朱色の髪と同じ色した耳が髪の間から覗くから、その態度も照れ隠ししかないんだってすぐにわかる。
 ホント、可愛いなぁ。
「もうそういうこと言うなよ」
「なんで? そんなに恥ずかしい?」
「うるさいっ!」
 どうやら、ルークの機嫌はそう悪くはなくなったみたいだった。






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あれ?
なんでこんなに甘いんでしょうか(聞くな
早く謙信のところに行きたいです。
慶次とルークがラブラブしてるよ!←