屋敷の裏手に回ると、目立つ朱色は簡単に見つかった。
 馬小屋の陰に身を潜めて座り込み、膝に顔を埋めて嗚咽を噛み殺している。俺たちが近づき地面が音を立てると、honeyは弾かれたように顔を上げた。
 どんな宝より美しい翡翠が涙に濡れていた。
 泣かせてみたいとは思ったが、こんな泣き顔は望んじゃいねぇ。快楽に歪む顔ならいくらでも見てぇがな。
「ルーク、どうした?」
 風来坊が慌てて駆け寄るが、honeyは首を横に振るだけで顔を上げることさえしない。泣き続けるhoneyを見ているうちに、着物を掴む手が震えていることに気がついた。
「fearful?」
 口にすれば思い切り肩が跳ねる。
 図星、か。
「何が怖いんだ? 話したら楽になるかもしれないだろ? 話してみなよ」
「だって……っ」
 怖い、とhoneyは泣いた。堰が切れたように大きく声を上げて。
 涙混じりに聞き取った内容は、俺でさえ眉を顰めるものだった。
 愛そうとしない親、常に「以前」を求める周囲、冷たい視線を向ける親友に師……。
 俺もこの生を疎まれたことがあった。実の母親にかけられた心ない言葉は幼い俺の心を抉り、ズタズタに引き裂いた。自ら死を望んだこともある。だけど俺は誰かを愛する気持ちも愛される気持ちも知っている。恋だけじゃねぇ、親愛のそれもだ。
 対してhoneyはそれを知らないからひどく怯えている。愛されるはずがないと思い込んでいるから。
「Shit! ふざけんじゃねぇぞ」
 苛立ちに短く叫ぶ。honeyの前に座り顎に手をかけて、年齢以上に幼い顔を持ち上げた。
 肩を抱いて慰める風来坊が邪魔だがこの際どうでもいい。俺のfeelingsを否定するなんて許さねぇ。
「honeyが信じられねぇんなら無理やりにだって信じさせてやるだけだ。Are you ready?」
 俺の言葉がはっきり理解できないのか、潤みきった翡翠が不思議そうに俺を見つめた。涙はいつの間にか止まっている。
「I love you,luke」
 何度でも言ってやろうじゃねぇか。
「お前を、愛してる」
 この心に偽りは、ない。






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政宗様のターン!
正直すぎるくらいの言葉でルークに猛烈アタックです。
行き過ぎてセクハラに走ればいいよ。
ファーストキスは政宗様(笑)
ただ、この時代外来語がなくて困ります。
深淵世界ならある程度使えるんですけどね。