「ルーク」
 語尾に音符でも付きそうな弾んだ調子で声をかけてきたのは、京の人気者、前田慶次。明るくて優しくていい奴なんだけど、正直言うとオレは苦手だ。
 だって。
「ルーク、好きだぜ」
 そんな嘘を、繰り返すから。
「そういうことは好きな女に言えっていつも言ってんだろ」
「つれねぇなぁ。俺はルークが好きなの」
 嘘つけ。誰にだって同じこと言ってるくせに。
 こういうこと簡単に言っちゃうから、だからオレは慶次が苦手なんだ。
 慶次はオレのことが好きだっていう。同じ男だってのに。
 人気者の慶次に寄ってくる女なんかいくらでもいて、好きだとか可愛いとか簡単に口にする。何が本当かなんてわかんねぇ。
 オレのことにしたって、違う世界から来たもの珍しい存在だから興味持ってるだけなんだ。
 「オレ」に、じゃないんだ。
 そうじゃなきゃ、困る。
 付き合ってらんねぇと手を振って慶次に背を向ける。と、腕を掴まれてそれ以上動けなくなった。離せよ、と言ってみても慶次は首を横に振るだけ。
「慶次!」
「ルーク」
 いつになく真剣な声に心臓が跳ねる。茶色い瞳に射抜かれて立ち竦んだ。
「好きだよ」
 腕を引き寄せられて耳に直接吹きこまれる。体が震えてまともな思考ができなくなる。
「オ、レは嫌いだって、いつも、言って……!」
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うだろ? 俺はルークに恋してる。ルークも俺のこと好きになってよ」
 切なげなため息が漏らされて、耳に吐息がかかる。
 思わず目を閉じると大きな手が頬に触れてきた。髪に、耳に、頬に、キスが落とされる。キスの間に何度も何度も好きだと囁かれて。
 耐え切れなくなって、慶次を突き飛ばして逃げ出した。心臓がバクバクいってる。
 わけわかんねぇ……っ!
 からかってるだけのくせに、なんであんなことすんだよ……っ!
 逃げるのに必死になってたから、オレは残された慶次が困ったような顔をしていたことなんか知らなかった。
「脈ありだと思ってたんだけどなぁ……ま、ここで諦めたりはしねぇんだけど」
 もちろん、そう呟いていたことも。






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慶次→→(←)ルークみたいな。
どう頑張ってもルークと深淵キャラをくっつけたくないらしい私に自分で苦笑します。
ちょっと状況説明しますと、ローレライ解放後、深淵世界に帰ったのはアッシュで、二人共を返すことはできないけどこのままルークが消えるのは嫌だと主張したローレライが(ルークは諦観入ってたのでもうどうでもいいとか思ってました)戦国世界に飛ばしてあげました。
多分武田軍かどこかにお世話になってるんじゃないかな(適当)
慶次はルークのことが本気で好きで何かと押しかけてくるんだけど、ルークは慶次に惹かれてるのわかってるのに慶次が自分のことを好きになるなんてありえないって思ってます。だからどんな直接的な言葉も嘘でしかない、と思い込んでるんです。
慶次はどうにか信じてもらおうと結構必死だったり。
脳内設定です。
普通にジェイルクとかシンルクとかピオルクとか書けよって話……←