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「ちょっと銀さん、アンタいつの間にこんな有名人と知り合いになったんですか!?」 「ああ? 知るかよ。つーか、知り合いでも何でもねぇし」 「てゆーか、何しに来たネ」 テンション急上昇中の新八と、対照的にテンション急降下中の銀時、そして敵意剥き出しの神楽。 原因はすべて、万事屋の客用ソファにどっかりと座る男にあった。 男の名はつんぽ。本名を、河上万斉という。 新八の大好きなアイドルのプロデューサーであり、銀時の旧友高杉の元につく剣豪でもある。紅桜の一件にも大いに関係していたのだが、知っているのは銀時しかいないため、危険性を訴えようにも伝わらない。 本能で危険を察知しているらしい神楽はともかく、アイドルオタクの新八には。 相変わらずヘッドホンをしたままの万斉は、心なしか楽しげに見える。殺意すら感じられる神楽の言葉にも、弾みそうな声音で答えた。 「白夜叉に――坂田銀時に逢いに来たのでござるよ」 「銀ちゃんに何するつもりアルか」 銀時を守る騎士のように、万斉と銀時の間に割り込む神楽。万斉と銀時を隔てるように机に乗っている。 一触即発の雰囲気に、さすがの新八も慌て出す。 「ちょっ神楽ちゃん、何やってんの!? つんぽさんに失礼でしょーが!!」 「構わぬよ、志村殿。それより神楽殿、拙者はぬしの大事な保護者とやりあおうなどとは考えておらん。依頼を持ってきただけでござる」 「依頼?」 今にも飛びかかりそうな神楽を抱きかかえ、銀時はそう訊き返した。 +++++ 「で、なんで俺がアンタの散歩に付き合わなきゃいけないわけ?」 万事屋でのやりとりから数十分後、背に腹は替えられないほど金がなかった銀時は、万斉の依頼を引き受けかぶき町へと繰り出していた。無事に万事屋から出るまでにもまた一悶着あったのだが、そこは置いておく。 銀時と並んで歩く万斉はすこぶる機嫌がよろしいらしく、鼻歌なんか口ずさんでいる。その機嫌の良さが、銀時には不気味だった。 「1人で散歩などつまらぬでござろう。話し相手を探しておってな」 「だったら、高杉とでも行ってくればいいじゃねぇか!」 「知らぬのか、白夜叉。晋助は意外と引きこもりなのでござるよ」 「知ってますゥゥ!! 昔っからそうでした! つかお前、白夜叉って呼ぶな。胸クソ悪りぃ」 「それは済まなかった。アイスでも奢るからそれで勘弁してくだされ」 「何、俺なんかアイスで買収しとけって? 高杉が言ったのか高杉が。……買ってもらうけど!」 アイスを奢ってもらった銀時は、近くの公園に入ってベンチに座った。 子供たちが無邪気に遊ぶ公園に、大の大人が2人でいるのは、非常に奇妙な光景だ。 糖分を与えられた銀時は、それまでの不信感も忘れてアイスに夢中になっている。まるでこの公園に似つかわしい子供のような仕草に、万斉は淡く笑みを浮かべた。 「ますます聴き惚れるでござるな、ぬしの歌は」 「はぁ?」 意識の3分の2はアイスに残したまま銀時が訊き返す。それには答えず、万斉は日に透ける銀髪に手を伸ばした。 日の光に照らされて、キラキラと光る銀色。 彼の魂と同じ、刃の色。 初めて触れるそれは、ふわふわしていて、触り心地がよかった。 「何なんだよ、お前。何がしたいわけ?」 糖分の力が強いのか、怪訝そうな視線は向けても振り払おうとはしない。 銀時における糖分の力は絶大だ。 「何、と言われても困るでござるな。拙者はただ、ぬしに会いたくなったのでござる」 髪に触れていた手を、頬に滑らせる。雪のように白い肌は、雪とは違い暖かだ。愛しいと不意に思った。 2人の距離が近づき、あと少しで唇が触れそうになった時、馴染み深い音が2人を切り裂いた。 視線は、自然と音源に向く。 「出れば?」 「どうせ晋助であろう……なんとまたタイミングの悪い」 万斉はため息をついて立ち上がった。名残惜しげに銀時の頬から手を離すと、穏やかに笑いかける。 「それでは銀時、また」 「お、おぅ」 銀時はとりあえず手を振って、去っていく万斉を見送った。 万事屋に帰った銀時は、心配した神楽にボコボコにされてしまうのだけれど。 +end+ +++++ えっとですね、片思いが好きです← 万斉って、かなり好きって気がする。 そんな顔、してるだろ?←わかる人にしかわからないネタ それはさておき、神楽ちゃんがずっと怒ってたのは、銀さんをとられると思ったからです。 私の中では、神楽ちゃんは銀さんの騎士(というか銀さん至上主義)という設定だったりします。 ちょっと言い訳くさく補足説明(苦笑) 2008.3.20. |