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年末だろうと何だろうと、警察というものは忙しい。むしろ年末の方が忙しいかもしれない。年末になって羽目をはずす輩が多いからだ。 恋人である沖田もその例に漏れないだろうと思ったので、銀時は期待せずに万事屋で酒を飲んでいた。 子供たちは早々に妙の家に送りだした。家族で過ごす年末はなんとなくくすぐったくて、照れを誤魔化すために追い出すように彼らを送りだした。ほんの少しの期待がなかったとは言えないが。 ちびりちびりと酒を口に運ぶ。 先程まではテレビがついていたのだが、意味もなく消してしまった。雪が降っているので、テレビの音のない部屋はひどく静かだ。 しんしんと降り続ける雪を肴に飲む酒も結構乙なものだ。 除夜の鐘が鳴りだした頃、万事屋の戸が叩かれた。桂が性懲りもなく誘いにきたのかもとも思ったが、桂ならば夜中にもかかわらず大声で銀時の名を叫ぶだろう。 銀時は眉をひそめつつ、酒の残ったコップを置いて木刀を手に玄関に向かった。 ガラスに映る影は銀時よりも小さい。誰なのかさっぱり見当がつかなかった。 木刀を握りなおして扉を開ける。そこにいたのはここにいるはずのない沖田だった。 「あれ? え、なんで沖田くん?」 銀時は思わず目を丸くしてしまう。 雪の中を走ってきたのだろう。沖田の肩には雪が積もり、荒い呼吸を繰り返していた。 「銀時さん」 沖田は一歩玄関に踏み込むと、冷えた手で銀時の肩を掴んだ。触れた手の冷たさに銀時は木刀を立てかけると慌てて玄関を閉めた。 「沖田くんすごい冷えてるじゃねーか。早く中入って……」 「時間ねェんでさァ」 奥に向かおうとするのを、肩を押さえられて引き止められる。沖田の行動の意味がわからずとりあえずその場に残ると、沖田は満足そうに微笑んだ。 それにしてもここは寒い。銀時は酒を飲んでいるから体は熱いけれど、ここの寒さはあっという間に体から熱を奪ってしまう。 やっぱり中に、と言おうとした瞬間、開いた口を塞がれた。不意打ちに目を見開く。舌と舌が絡む濃厚な口付けに銀時はうっとりと酔いしれた。 「……ん、……ふぁ、んぅ」 唇が離れると、熱っぽい蘇芳の瞳に蕩けた表情の自分が映っているのがわかった。とことん沖田に溺れていることを思い知る。 それも悪くないと思うなんて。 「沖田くん、いきなり、何……?」 「年末も年始も会う時間なさそうだったんで、キスだけはしとこうと思いやして」 わざわざこの時間に来たのは、年が変わる瞬間に会いたかったから。そう告げられて、顔が熱を持つのがわかった。 ああ、なんて愛しい。 銀時は思い切り沖田を抱き締めた。体が冷えるのも構わずぎゅうぎゅうと抱きしめる。腕の中で子供が慌てたような声を出すのが面白かった。 「あけましておめでとう、沖田くん。今年も一緒にいようね」 「もちろんでさァ!」 短い逢瀬の中、銀時と沖田はもう一度唇を重ねた。 +end+ +++++ 年末年始を一気に(笑) 実際問題、年末は忙しいと思うのです。 年末に全国警察的な番組もあってましたしね。 おそらくこの時間のためだけに土方さんに仕事を押し付けてきたんだと思います(笑) 2011.01.23. |