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「ごめんなさい」 ソファに座りイチゴ牛乳を飲む銀髪の男に向かって、高杉は土下座をしていた。誠心誠意、心からの謝罪である。 つまらなそうに高杉を見やる男が、実はかなり怒っているのを、高杉はちゃんとわかっていた。 何故鬼兵隊総督であり、攘夷志士の中でも危険因子である高杉晋助が、こうして一般人の坂田銀時に謝っているのかといえば、理由は高杉はもちろん、高杉の部下にあった。 いわゆる、紅桜事件である。 似蔵が勝手に動いて銀時に怪我をさせたり、また子が銀時が大切にしている少女を撃ったり、武市が少女をいやらしい目で見たり、万斉が春雨相手に銀時のことを伝え忘れたりしたことによって、銀時とその大事な子供たちは危険に晒され、銀時はとてつもなくご立腹なのだ。 「何がごめんなさい? 謝ればいいって考えてんじゃねぇだろうな」 不機嫌を隠そうともしない声。背筋を冷たい汗が伝う。高杉はより強く額を擦りつけた。 「わかってる……いや、わかってます。俺の部下の躾が悪かったです。今後こんなことがないようにしっかり叱っときます。ごめんなさい」 上から発せられるオーラが怖い。鬼兵隊総督ともあろうものが、逃げ出したい気分だった。恐怖を必死で堪えて、銀時の言葉を待つ。 銀時が動いた気配がして、高杉は恐る恐る顔を上げた。が、すぐに頭を強い力で押さえつけられた。誰のものかは言うまでもない。 「誰が顔上げていいっつったよ」 「ごめんなさい……」 頭を掴む手には尋常ではない力が入っている。ギシギシと頭が軋む。握り潰されそうだ。 銀時は高杉の頭の近くにしゃがみこみ、耳元に寄せて囁く。甘い響きを持ったそれは、恐怖そのものでしかなく。縮みあがった高杉の心臓をさらに縮こまらせた。 「なあ晋助くん。本当に悪いと思ってる? その誠意次第じゃ、宣言通りたたっ斬ってやってもいいんだぜ」 「お、思ってます」 「じゃあ、ちゃんと誠意見せろよ?」 「はい」 震える声で、高杉は答えた。頭を押さえていた手が離れていく。恐る恐る、止めていた息を吐きだした。 怖かった。本当に怖かった。 白夜叉降臨だ。 高杉など彼の足元にも及ばない。彼に逆らうことなどできやしないのだ。 顔をあげると、銀時がソファに座りジャンプを開いているのが目に入った。銀時は視線を上げることもなく、奥の部屋に追いやっていた子供たちを呼んだ。 「おーい、神楽、新八ィ。そこのチビと一緒に買い物行ってきていいぞー。好きなもの買ってもらえ。荷物もそいつに持たせていいから」 「マジでか!!」 オレンジ色の髪の少女が真っ先に飛び出してくる。規格外の犬を従えた少女は目がキラキラと輝いていた。 眼鏡の少年もいいんですか? と高杉を窺うようにしながらも、手元はガッツポーズをとっている。 銀時はといえば、彼自身は出かけるつもりがないらしく(日常生活に支障はないとはいえ、彼は大怪我を負っている。出かけられるはずがない)少年と少女に何かを頼んでいた。 高杉はそっと懐の財布に手を当てる。それだけで銀時の怒りが収まるとも思っていないが、金を出すだけで銀時の怒りが和らぐのなら、金はいくらでも出そうと思った。 それから、脳内で部下たちを切り刻む。元はと言えば、あいつらのせいなのだ。 (あいつらの給料は一年間無しにしてやる……!) 高杉を呼ぶ声に応え、高杉は子供たちの後を追った。 +end+ +++++ 紅桜編をギャグ調でやってみたいなと思いまして。 あんまりギャグじゃないですけど…… 高杉は、似蔵の暴走を見逃してたわけじゃなくて本当に知らされてなくて(後で聞いて銀さんを心配して怖くなった)、また子や武市が勝手に動いたときも実はめちゃくちゃ焦ってて(銀さんに怒られるから)、春雨と手を組むのもヅラの首だけってことにするつもりでした(ヅラは銀さんの近くにいられて羨ましいし、いつもウザいから)。 が、全くうまくいかずあの結果に……。 なので、事が済んだ後に銀さんに平謝りです。 銀さんの怒りが収まるまで、銀さんの言いなりです。 万斉たちもあとで土下座させに行かされます。 白夜叉が怖すぎて、誰も何もできません。 銀さん最強(笑) 2010.05.03. |