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食堂の隅で一人、昼食をつつきながら、銀時はふつふつと怒りが湧き上がるのを感じていた。 ちなみに、今日の昼食は牛丼だ。銀時が怒りに任せてがっついているので、食堂提供の箸が可哀想なことになっている。 「人のこと好きだとか言っといて一週間以上も放置ですかコノヤロー」 どういう意図があったにせよ、それは紛れもなく口説き文句なわけで。乙女心とは遥かに縁のないはずの銀時も一瞬ときめいてしまったのだ。 本当に、一瞬だけれども。 行儀も悪く片肘をついて、食堂内を見回してみる。 人はたくさんいるが、腹が立つほど綺麗な顔をした男は見当たらない。講義の合間や移動中には嫌になるくらい目に付くというのに。 「つーか、あんな奴のことばっか考えてることがムカつく」 「あんな奴って誰のことですかィ?」 ベタな漫画のようにポトリ、と落とした箸を、沖田はしっかりをキャッチした。箸を銀時の手に持たせて、向かい側に座る。 沖田が食事をし始めるまで、銀時は衝撃から立ち直ることができなかった。 目の前に、ついさっきまでずっと考えていた人物がいるから。 沖田はそれが当然であると言わんばかりに銀時の向かいでカツ丼を食べている。銀時が固まっているのも気にならないらしい。カツ丼を半分ほど食べてから、やっと気づいたように銀時を見た。 「お久しぶりでィ、銀時さん」 「あー、うん。久しぶりー」 「で、さっき言ってたのは誰なんですかィ?」 「いや、別に……」 爆弾発言の内容には一切触れず、本当に久しぶりに会った友人に対するように話すものだから、銀時も雰囲気に呑まれて会話をする。言ったあとで、うん? と首を傾げる。 何かおかしくないか? と。 なんでこんな普通に話してんの? 「というかお前、何普通に話してんの!? 自分が何言ったか覚えてる!?」 彼が一方的に愛を囁いて、そのくせその後会うことすらなかったために、銀時はずっとヤキモキし続けるハメになったのだ。このところ機嫌が悪かったのも、そのせいだ。 「銀時さん?」 怒りに我を忘れていたらしい。ふと気がつけば、眼前に秀麗な顔が迫っていた。 「おわっ」 「おわって何でィ、おわって」 驚いて声を上げると、沖田は拗ねた表情で離れる。しかし、当の銀時はそんな表情に構う余裕はなかった。 ばくばくと逸る鼓動。 そんな趣味はないと言い聞かせるのに、ときめきに似た感情を打ち消すことができない。 乙女か俺は……! カッと頭に血が上った銀時はあっという間に残っていた牛丼を平らげた。箸をどんぶりに叩きつけて席を立つ。 「銀時さん? どうしたんですかィ、さっきから」 「テメーが悪いんだ!」 目を丸くする彼に言い捨て、銀時は逃げるように食堂をあとにした。 「認めねぇ認められねぇ認められるわけあるか!!」 この感情が恋だなんて。 +end+ +++++ 続いちゃいました(ぇ 銀時自覚編? 一週間放置プレイされて久しぶりに会って、ときめいちゃったらしいです。 顔がやたら近いのは沖田くんの確信犯で。 もうちょっと銀時が嫉妬してるとことか書きたかったなぁ…… よく見かけるんだけど、その時は大概女の子に囲まれてるみたいな。 あ、次書けばいいのか← それではまた次回!(何キャラ 2009.5.17. |