「旦那ー」
「んー?」
 せっかく恋人が家に来ているというのに銀時はジャンプを読んでばかりで。向かいに座る沖田は不満たらたらな顔でそれを見つめた。
 何度呼んでも生返事しか返してくれない。
 久しぶりの逢瀬を楽しむどころの話ではなかった。
「旦那ぁー」
「んん……」
 沖田はため息をつきソファを立った。コーヒーでも淹れようと勝手知ったるキッチンに行く。やかんを火にかけてから、思い出したように銀時に声をかけた。
「旦那もコーヒー飲みやすかィ?」
「うん……」
 返ってくるのはやはり生返事。さすがに頭にきた。
 いくら何でも人を、しかも恋人をないがしろにしすぎだ。
 熱湯を注いだマグカップを二つ持ち、沖田はリビングに戻る。銀時の隣に座り片方を自分の前に、もう片方を銀時の前に置いた。
 リビングがコーヒーの香りに包まれる。
 沖田は熱いコーヒーに息を吹きかけながら、ちらちらと隣を窺った。
 銀時はまだジャンプを読んでいて、沖田が戻ってきたことには気づいているだろうが沖田を見向きもしない。礼のひとつもなくマグカップに手を伸ばし、ゆっくりと口をつけた。
 そして訪れる、沖田の小さな復讐。
「あちっ」
 ジャンプを落とし、マグカップを慌ててテーブルに戻す銀時。予想外に熱いコーヒーに驚いているのがわかる。
 潤んだ赤い瞳に、沖田はニタリと笑った。自らの仕業だと隠そうともせずに銀時を心配する。
「大丈夫ですかィ?」
「大丈夫なわけねーだろ。つーか沖田くんわかっててやったよね」
「何のことでィ」
 わざとらしく首を傾げる。銀時は顔を引きつらせたが、舌の痛みに気を取られたらしい。小さく痛みを訴えた。
「絶対火傷してるよコレ」
 べろんと舌を出す銀時。色気も何もない、みっともなく口を開けただけの姿だが、沖田には劣情を抱くのに十分な姿で。
 銀時に覆い被さり、沖田は迷いなくその唇に食らいつく。
「んぅ!? ん、ふぁ……んんっ」
 火傷をしたらしい舌は確かにざらついていて、沖田の舌がそこに触れるたび銀時は体をびくつかせた。深くて濃いキスに銀時の瞳が焦点を失う。
「は、ぁ……何、いきなり」
「自業自得ってやつでさァね」
 片手で服を脱がしながら、沖田は耳朶を噛んで言葉を直接耳に吹き込む。
「旦那が俺を構ってくれねェのが悪い」
 途端にバツの悪そうな顔をした銀時に、もう一度噛みつくようなキスをした。






+end+






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舌べろんってしてるの可愛いよね、という妄想からできた産物。
沖銀久しぶりですね(泣)
ネタはあるんです。
まとまらない……
また頑張ります!!






2009.09.06.