【懐かれました】






 成り行きで拾ってしまうことになった天人。
 黒髪に切れ長の瞳の色男。それだけならよかったが、ふさふさの犬耳と尻尾のオプションまでついている。
 興味津々の沖田が調べてきたところによると、その天人は辺境の星からきた半獣という種類の天人らしい。人型天人と獣型天人との相の子であり、獣の種類は様々。その性質は獣の種類によるらしいが、人の言葉も喋れるそうだ。
 拾ってきたコレは犬耳と犬尻尾を持っている。つまり、犬の性質を持っているということで。
 すっかり気に入られた銀時は終始抱きつかれている。犬にしてみればじゃれあいでしかないのだろうが、銀時にとっては邪魔なことこの上ない。
「なぁオイ。少し離れてくんね? 仕事しづらいんだけど」
「イヤだ」
 銀時なりに譲歩したつもりだったのだが、イヌはふてぶてしく笑ってきっぱりと拒絶した。
 積み上げられた書類の山とべったりと貼り付くイヌと、それらのおかげで外に出られないこの状況。
 銀時のイライラはピークに達していた。
「だからウザいって――」
「銀時は、イヤか?」
 背後から見上げられ、銀時は不覚にも胸をときめかせる。動物好きの銀時にはたまらないアングル(外見はほとんど地球人だが)。
「うぅ…っ」
 ダメだダメだ。負けるな俺!
 心の中で自分を奮い立たせ、振り向いてイヌの顔を見る。
 銀時の機嫌を窺っているのか耳をペタンと垂らしている。尻尾もまた元気がない。
「い、い、い……」
「い?」
イヤだなんて言えません…!
 結局抱きつくのを許してしまった。
 尻尾をバタつかせるイヌに、銀時は敗北のため息をついた。






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