「せんせー、相談があるんですけどー」
 生徒相談室に1人の生徒が入ってくる。銀八はその生徒を見やると、気怠けに髪を掻いた。
「なんだ、沖田か。いいぞ。ただし、マヨ方暗殺方法とかだったらナシな」
「違いまさァ。俺にも真剣に悩んでることくらいあるんですぜ?」
「はいはい、じゃあ何。何悩んでんの?」
 いかにも面倒くさいという雰囲気で尋ねると、沖田は妙に真面目くさった顔をする。
「好きな人がいるんですがね、その人はモテモテのクセに自分の魅力に気づかない鈍感なお人なんでさァ」
「……へぇ、お前が恋愛ねぇ……」
 常々ドSなことか土方をおちょくることしか考えていないと思っていたため、沖田の相談はなかなか新鮮だった。あえて銀八に相談してきたというところが可愛いじゃないか。
「それで? どうしたいの、お前」
「俺としてはどうにか自分の魅力に気づいてほしいと思ってんでィ」
「告白しねーの?」
「告白してもムリなんで」
 珍しく沖田が弱気な表情をしている。それほどまでその相手のことを想っているのだろう。
 なんとなく、興味が湧いた。
「お前が好きな奴ってどんな奴?」
「……普段は全然やる気なくてむしろダメな人で、でも何故かみんなに人気がある人でさァ」
「ふぅん…。可愛いコ?」
「可愛い…ですねィ。あと、ふとした仕草がイチイチエロい」
 そんな奴いたっけ、と銀八は顎に手を当てて考える。と、突然沖田が立ち上がった。
「…っだから鈍感なんでィ!!」
「…!?」
 テーブル越しに抱きしめられ、銀八は目を白黒させる。何が起こったのか、銀八は今ひとつ理解していなかった。
「あー…と、沖田くん?」
「好きです。先生」
 どくん。
 心臓が一際強く鼓動を鳴らした。
「アンタが好き。やる気なさげに授業する姿も、実は生徒のワガママが嫌いじゃねェところも、甘党なところも、全部、好き」
「おき――」
「俺のこと好きになってくれとは言わねェから、せめて自覚してくだせェや。アンタを好きな奴はたくさんいるんだって」
 言葉とは裏腹に強くなる腕の力に、銀八は苦笑した。
「わかった、わかったから。腕痛ぇよ」
「す、すみません」
 見るからに落ち込んでいる沖田。普段見ることのない表情豊かな姿に、銀八は胸から込み上げてくるものを自覚した。
「……ヤバいなぁ」
「何がですかィ?」
 捨てられた仔犬のような視線に思わずぐしゃぐしゃと栗色の髪を掻き回す。
「お前のこと好きになっちゃった、かも」
「え!?」
「ま、あくまでかもだから、あとはお前次第だろーな」
 暗かった沖田の表情が、一気に明るくなる。
 この表情が一番好きだな、なんて、今まで思わなかったことを思った。
「じゃあ先生、覚悟してくだせェ。絶対先生を落としてみせまさァ!!」
「お〜頑張れよ〜」
 すっきりしたらしい沖田の後ろ姿を、銀八はジャンプを読みながら見送る。ジャンプで隠した顔が赤くなっていたことは銀八自身知らないことだった。






+end+






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3Z小説第3弾に触発されまして…!
突発文です。
意味わかんないのは気にしちゃいけません!!
土方さんは相談に来てたんで沖田くんが告白しましたが、コレむしろ土方さんのが似合ったんじゃないかなとあとになって思いました…(汗)
い、いいの!
私沖銀好きだから!!
精進してきます。






2008.7.17.