「という訳で旦那、手をつなぎましょう」
「え、何。何が『という訳』なの!?」
 言葉と共に差し出した右手。その手と沖田の顔を見比べ、銀時は慌て出す。そんな銀時を可愛いと思いながら、沖田は甘い笑みで続ける。
「せっかく恋人になったんだから、恋人らしくしねぇと。最初は手をつなぐところから始めるんでさァ」
 だから、手をつなぎましょう。
 重ねてそう言うと、銀時は顔を真っ赤に染めた。それから言い返そうと口を開いて、何も言えずに口を閉じた。
「ほら、旦那」
 右手を差し出したまま、銀時が握ってくれるのを待つ。
 いくら恥ずかしそうにしていても、銀時がこの手をとることを沖田は知っている。だから。
「仕方ねぇな、万事屋までだぞ」
 上擦った声と銀時の大きな手。
 握る力は思いの外強くて。愛されていることを実感する。
「旦那は素直じゃねぇなァ」
 そう言いながらも、沖田の顔に浮かぶのは苦笑ではない。
 指を絡めて、しっかり握って。着物の袖で隠すようにしながら、けれどこの手は離さない。天邪鬼な銀時の心の表れだ。
「悪かったな。素直じゃなくて」
「いやいや、そこが旦那の可愛いところでさァ」
 ほんの少し、握る手に力を込めた。すぐに返ってくる、銀時からの見えない愛情。
 本当に、この人は可愛いなァ……。
 微かに赤い横顔を見ながら、沖田は心の中で呟く。
 そんな可愛いアンタが、俺ァ大好きなんですよ。






+end+






+++++



手を繋ぐ、というのをテーマにしてみました。
男同士で手を繋ぐのって、いくら恋人同士でも、結構勇気いりますよね。
銀さんは恥ずかしくて繋げないけど、沖田君は絶対繋ぎたい。
ベタ甘です〜






2008.1.26