学パロ高銀






 彼は顔もよくて頭もよく、性格は悪いが男女ともに人気のある人間で。
 性格を除けば完璧と言わんばかりの彼が、どうして自分のことを好きになったのか、彼の方から告白され流されに流されて頷いた銀時にはわからない。ただ、結構毒舌で甘え下手で天パで、魅力の欠片もない自分を高杉が好きでいることが不思議だった。
 その疑問が不安としてずっと心の中にあったからかもしれない。何気なく口にしてしまったのは。
「高杉ってさ、なんで俺のこと好きなの?」
 放課後、人のいない教室。
 意味もなく教室に残って、銀時は腕を枕に机に突っ伏し、高杉は銀時の前の席に座り銀時の机に肘をついて天パを見下ろしていた。何をしていたわけでもなく、同じ時間を共有しているだけだった。
 交わす言葉は二、三言。それだけだが、とても心地がよかった。
 そんな中、ふと思いいたって問いかけたのがその言葉。
 言われた高杉は、彼にしては珍しくきょとんとした表情を浮かべた。常にシニカルな笑みを浮かべている高杉にしては本当に珍しい。また新たな一面が見れた、と銀時はこっそり微笑んだ。
「なんで……って、そりゃあ、」
 わずかに言い淀んだ高杉はひたと銀時を見つめる。何かを考え込むように顎に手を当てて、鋭い隻眼で銀時を上から下まで眺めまわした。
 居心地が悪くなってそわそわと居住まいを正す。声をかけてみたが、高杉は何も答えなかった。
「可愛いとこ」
「へ?」
「俺の言うことにいちいち反応して照れるとこ。照れ隠しに思ってもないこと言って自分で落ち込むとこ。甘味を見ると目が輝くとこ」
 突然喋り出した高杉に今度は銀時の方が面食らう。反応もできずただ目を丸くしていると、続いた言葉に絶句した。銀時が肯定も否定もしないのをいいことに、高杉の惚気混じりの語りは続く。
「本当はすげーお人好しなとこ。笑ったら周りに花が飛ぶとこ。傷ついてるくせに何でもないふりして強がるとこ。あと、存在がエロい」
 言われるたび、いたたまれなくなって銀時は顔を俯かせる。それでも高杉の視線が真っ直ぐ銀時に向かっているのがわかるのだからもう重症だ。
「俺のこと好きだって、体全体でいうお前が、すげぇ好き」
 伸びてきた高杉の手に俯いた顔をあげさせられる。優しい手つきに従ったのが間違いだった。
 机を挟んで向かい合わせに座っていたはすなのに、至近距離で高杉に見つめられて、銀時ははっきりとわかるほど頬を染めた。視線を合わせる勇気はなく、目を泳がせる。かかる吐息に思わず目を閉じると、唇を舐められた。
「お前の全部を、愛してる」
 真剣な顔で、鋭い眼光を和らげて、愛しいという感情を惜しみなく伝える高杉。銀時は何を言うこともできず、頬に触れる手を払って顔を背けた。
「そういうことを真顔で言ってんじゃねぇよ、バカ」
 ようやく吐き出した言葉は思った以上に弱々しく、何の説得力もなかった。
 高杉は低く笑い、羞恥に染まる顔にキスを落とす。甘い空気に、銀時は心の中にあった不安に似た何かが跡形もなくなくなっていたことにも気づかず酔いしれたのだった。






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何これすごい甘い。






2010.11.26.